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新井 太貴*; 吉越 章隆; 本橋 光也*
材料の科学と工学, 60(5), p.153 - 158, 2023/10
現在、Si酸化膜は絶縁材料として電子デバイスや生体材料に広く利用されている。この膜の原子結合状態は、各デバイスの特性に影響を与えるため、特に膜のSiとOの化学結合状態の理解と制御が必要となる。本研究では、極低濃度のHF水溶液を用いた陽極酸化によってSi基板表面に形成されるSi酸化膜をX線光電子分光によって分析した。Si2pおよびF1sスペクトルを中心に調べた。HF濃度がppmオーダであるにもかかわらず、膜表面にパーセントオーダのFを含んでいることがわかった。膜中にSi-FやSi-O-F結合が形成されたことを示唆する結果である。また、FとOの深さ分布が異なることから、FとOで表面反応プロセスが異なることが推論された。
佐々木 祐二
化学工学, 84(9), p.425 - 427, 2020/09
原子力研究における分離技術は廃棄物減容と有害度低減の観点が求められる。放射性元素の処理法あるいは一時的な対策として、ガラス固化体での地層処分、長半減期核種を非放射性または短半期核種へ核変換や中間貯蔵がある。このように、それぞれの処分法を適切に運用するための元素分離技術が不可欠になる。ここでは、使用済み燃料からU, Pu元素の分離と高レベル廃液からMA, FP元素の分離手法と新しい溶媒抽出技術について解説する。
佐野 雄一; 坂本 淳志; 竹内 正行; 三角 隆太*; 國井 佳奈子*; 轟 慧*; 仁志 和彦*; 上ノ山 周*
化学工学論文集, 44(6), p.335 - 340, 2018/11
高い処理能力や相分離能力などの特徴を有する回転円筒型液液抽出装置に関して、装置の性能向上を目指す上で重要となる装置内部での流動・分散特性について、装置の運転条件の違いが及ぼす影響やこれによる抽出性能の変化について知見を得ることを目的に、乱流数値モデルにもとづいた解析を実施するとともに、実験結果との比較を行った。ロータ回転数の増加や供給液流量の低下により、アニュラー部における液相の存在領域が上下に分断される傾向が示されるとともに、いずれの条件においてもアニュラー下部においてはロータ中心部に向かう流れの形成が確認された。分散相の液滴径は、ロータ回転数の増加および供給液流量の低下により減少する傾向が認められた。以上の結果は、実験により得られた傾向と一致した。さらに、水相/有機相間の物質移動を考慮した解析により、ロータ回転数の違いによる抽出性能の変化が概ね再現できることを確認した。
三角 隆太*; 轟 慧*; 國井 佳奈子*; 仁志 和彦*; 上ノ山 周*; 佐野 雄一; 坂本 淳志; 竹内 正行
化学工学論文集, 44(5), p.285 - 291, 2018/09
原子力分野の使用済核燃料再処理プロセスでは回転円筒型液液抽出装置の利用が注目されているが、抽出効率に大きく関連する装置内の流動状態に対する装置サイズの影響については十分な検討が行われていない。同装置は、円筒ロータ槽底近傍の固定羽根で撹拌される混合部と、ロータ内の分離部で構成される。本研究では、純水だけを用いたモデル実験により、装置サイズが異なる2つの遠心抽出器の混合部のビデオ撮影により流動状態と操作条件・装置サイズとの関係を整理し、混合部の流速分布をParticle Image Velocimetryにより計測し、操作条件との関係を整理した。その結果いずれの装置サイズにおいても、混合部の流動状態は、槽底からロータ下部までが液で満たされる流動状態A、液の存在領域が槽底近傍とロータ下部近傍に鉛直方向にわかれる流動状態B、その中間となる遷移状態に分類されることがわかった。ロータ回転数が遅く、供給流量が多いときに状態Aとなる傾向があり、装置サイズにかかわらず状態Aから遷移状態へ変化する操作条件は、装置サイズで正規化した供給流量とロータ内の気液界面形状にもとづいて推算したロータの液排出能力の関係で整理できることがわかった。さらに、混合部が液で充満される流動状態Aにおいては、液流速の大きさは装置サイズにかかわらずロータの回転周速度におおよそ比例することがわかった。
三角 隆太*; 國井 佳奈子*; 轟 慧*; 仁志 和彦*; 上ノ山 周*; 佐野 雄一; 坂本 淳志; 竹内 正行
化学工学論文集, 44(3), p.135 - 141, 2018/05
被引用回数:1 パーセンタイル:4.81(Engineering, Chemical)原子力分野の使用済核燃料再処理プロセスでは回転円筒型液液抽出装置の利用が注目されているが、抽出効率に大きく関連する装置内の流動状態に対する操作条件の影響については十分な検討が行われていない。本研究では、主要な操作因子であるロータ回転数や溶液の供給流量が異なる条件を対象に、混合部の流動状態の観察、ならびにParticle Image Velocimetryによる流速分布測定を行った。ロータ回転数や溶液の供給流量が変化した場合に、装置内の混合部の流動状態が、(a)混合部底面からロータ下部までが液体で満たされロータの回転の影響が流速分布に強く影響する状態(流動状態A)、(b)混合部下部における液の存在領域が、槽底の固定羽根近傍とロータ下部近傍に鉛直方向に大きく2つに分断される状態(流動状態B)、(c)これら2つの状態の過渡的な状態(遷移状態)の3種類の状態に分類されることを明らかにした。8枚の固定羽根が槽底に放射状に取り付けられた混合部では、2枚の固定羽根と槽壁に囲まれた各領域内で、槽壁近傍ではロータの回転方向に沿った流れが形成され、下流側の固定羽根に沿って曲げられ槽底中心部に流れ込むフローパターンであることがわかった。流動状態Aでは、混合部内の水平断面内の流速分布はロータ回転数に対しておおよそ比例するが、流動状態Bでは流動状態Aより流速が遅く、ロータ回転数には比例しないことがわかった。
呉田 昌俊
化学工学, 80(8), p.464 - 467, 2016/08
中性子ラジオグラフィは中性子を利用して物質内部を可視化計測する技術であり、X線ラジオグラフィ(レントゲン)と相補的な特長を持つ。本レビュー論文においては、その計測原理および適用事例、例えばエンジン内の潤滑油オイルの可視化、大強度陽子加速器施設J-PARC(共用中性子イメージング専用施設)を利用した最先端技術などについて、計測の次元毎に技術全体を網羅し整理した形で紹介する。
石山 新太郎
化学工学論文集, 41(2), p.95 - 99, 2015/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Chemical)570,000Bq/kgを越える村道脇土壌や原野土壌並びに校庭土壌の界面化学的分散制御高速せん断解砕洗浄法による解砕洗浄フィールド試験を福島県下で実施し、各土壌の解砕微細化のための最適化条件の検討を行い、その結果下記結論を得た。(1)解砕洗浄時のpH調整を等塩基点近傍の10-11で調整することにより各種土壌において高い微細分散化効果が得られる。(2)洗浄装置表面への汚染土壌粒子衝突並びに粒子/粒子間衝突による解砕微細化促進には、固形物濃度50%程度まで高濃度化する必要があるとともに、洗浄液の高粘性化に対応する高トルク型の解砕洗浄装置が必要とされる。(3)上記条件の下で村道脇土壌や原野土壌並びに校庭土壌の解砕洗浄を行った結果、土壌粒度10m以下に微細化された高濃度スラリー化を2時間内で生産することができた。
横山 薫; Rong, D.*; 小原 義之
化学工学, 78(11), p.818 - 821, 2014/11
放射性セシウム(Cs)で汚染された都市ごみの焼却処理では、Csは焼却灰に付着し焼却施設内に留まる。被ばく管理の観点から、Csが付着した焼却灰の焼却施設内の分布情報を得るため、既存焼却炉で燃焼解析を行い焼却灰の挙動を評価している。本報告でこの取り組みを紹介する。
石山 新太郎
化学工学論文集, 40(6), p.462 - 465, 2014/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Chemical)新たに試作した放射能汚染水処理用凝縮・濃縮装置試作機(蒸発量40kg/h)を用いた本洗浄システムのフィールド試験を福島県内の汚染土壌を用いて実施し、本試作機に関する汚染土壌洗浄に用いた洗浄水の濃縮・減容化の限界及び蒸発蒸留液の再利用に関する検討を行い、下記結論を得た。(1)原野土壌(10,743Bq/kg)の解砕洗浄においてフィルタプレスからの再循環用ろ液中に捕集土壌鉱物から乖離したFPが全体数量の35%程度混入した。これに対して村道脇土壌(37,658Bq/kg)のろ液中でFPは0.01%以下であり、解砕洗浄中の洗浄液中へ乖離FP混入は土質や履歴に依存するものと考えられる。(2)試作装置によりろ液から生産される凝縮水は放射性核種や不純物の混入の極めて少ない蒸留水であり、本装置は原液の86-88%程度を再生循環水として供給できる性能を有している。(3)試作装置により濃縮倍率7.2-8.6倍の濃縮水を生産でき、その際ろ液中に混入したFPすべてを濃縮水中に留めるとともに濃縮倍率と同程度のFP濃縮率(=4.4-7.2)を達成した。
石山 新太郎; 大谷 和久*; 山下 学*
化学工学論文集, 40(6), p.466 - 469, 2014/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Chemical)570,000Bq/kgを越える福島県下の放射能汚染土壌の洗浄プロセスにおいて固形化工程に使用する可搬型(360mmD360mmH800W)と固定大型フィルタープレス(1880D2140H9085W)の性能評価を行うため、汚染土壌の洗浄試験とそれに基づく放射線量評価を実施し、下記結論を得た。(1)可搬型フィルタプレスにより10%近い減容率を達成するとともに、濃縮固形化に伴う放射線量は出発土壌の1.3-6.7倍に達した。(2)高縮固形化工程における可搬型及び大型固定型フィルタプレス装置の中心における線量はそれぞれ2.5及び196Sv/hであり、特に大型固定型においては通常及び異常時点検補修の際に放射線防護規定の放射線量を越える危険性がある。
下条 晃司郎
化学工学, 78(7), P. 501, 2014/07
化学工学会が毎月発刊している「化学工学」にて、分離プロセスにおける最新の研究動向について執筆依頼を受けたものである。新規な分離技術として環境化学研究グループで開発してきたエマルションフロー抽出装置について最近の研究成果を紹介した。
石山 新太郎; 大場 弘則; 山本 春也; 菖蒲 敬久
化学工学論文集, 40(2), p.131 - 136, 2014/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Chemical)世界で初めて0.3MeVで加速したプロトンを注入したサファイア基板に対してArFレーザー照射を行うことにより、プロトン注入深さ1m幅5080mの量子ビーム融合化による微細加工に成功した。本技術は、プロトン注入サファイアが200nmの紫外可視光を吸収する特性を利用してサファイア内部のプロトン注入領域を局部的にArFエキシマレーザーにより微細加工する方法である。これにより、サファイア単結晶基板からの大面積サファイア単結晶薄膜の作成なども可能となる。
石山 新太郎; 神谷 昌岳*; 近藤 充記*; 比氣 明典*
化学工学論文集, 39(6), p.545 - 552, 2013/11
被引用回数:3 パーセンタイル:13.41(Engineering, Chemical)最高570,000Bq/kgを越える高放射能汚染土の福島県下の代表的な校庭土,原野土並びに県道脇土の界面化学的分散制御と高速せん断流解砕による土壌洗浄実験を行い、土壌特性と洗浄・濃縮・減容化効果について下記結論を得た。(1)3種類の原土壌に対して60分間程度の解砕洗浄を行うことにより60-95%の洗浄率が期待できる。(2)解砕洗浄後の再生土(8,000Bq/kg以下)の回収率は3種類原土壌において60-82wt.%であり、特に、原野土において500Bq/kg33wt.%の低線量化での回収を達成した。(3)濃縮度の固形化による減容化(最高260,000Bq/kg)において60-85wt.%を達成した。(4)本解砕洗浄技術により汚染土壌に含まれる全FP量の90%以上のものが濃縮ケークとして回収可能である。(5)高放射能汚染土壌の主要FP捕獲鉱物相は校庭土においては金雲母等の層状ケイ酸塩類鉱物であり、原野土や県道脇土においてはモルデナイトである。
石山 新太郎; 神谷 昌岳*; 近藤 充記*; 比氣 明典*
化学工学論文集, 39(4), p.405 - 410, 2013/07
被引用回数:3 パーセンタイル:13.41(Engineering, Chemical)福島県下での570,000Bq/kgを越える高放射能汚染土の界面化学的分散制御と高速せん断流解砕による洗浄フィールド試験を実施し、おもに洗浄解砕装置の汚染防止の観点から構成機器表面にAlOコーティングをほどこすことによる汚染防止並びに基盤損耗防止効果に関する検討を行い下記結論を得た。(1)固形物濃度50%の洗浄液中での3時間解砕洗浄後において膜厚5mのコーティングクーポン表面のFP汚染は認められなかった。その際、AlOコーティング成膜は解砕洗浄時の微細鉱物相粒子との衝突により膜厚が均一に損耗することがわかった。一方、SUSクーポンにおいてはおもに塑性変形を伴うくさび効果からFP表面取り込みによる汚染が認められた。この汚染源の除去は湿布圧掃程度の除染作業では困難である。(2)洗浄解砕装置において最も過酷なステータ翼部位に取り付けたコーティングクーポンでの洗浄解砕作業中における表面損耗速度は0.14m/hrと評価された。一方、SUS304クーポンでは解砕洗浄運転初期においてコーティングクーポンの場合の7倍程度の損耗速度を示し、その後の長時間洗浄において顕著な肉厚変化は生じなかった。
岩月 仁; 渡辺 豊*; 寺田 敦彦; 小貫 薫
化学工学論文集, 37(5), p.441 - 446, 2011/09
被引用回数:1 パーセンタイル:6.68(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスでは、腐食性の強い硫酸やヨウ化水素酸を高温高圧の環境で取り扱うため、耐食性に配慮したプロセス機器の開発が重要な課題となっている。本研究では、ISプロセスの硫酸分解工程におけるプロセス流体移送を担う硫酸移送ポンプを考案し、試作試験を行った。ポンプの型式としては、要求吐出し性能を考慮して往復動形プランジャー式を採用し、耐食性,耐熱性を確保するためのSiCセラミクス材と耐圧強度を確保する汎用金属を組合せた機能分離方構造とした。水素製造量30m/h規模の試験プラントでの使用を想定したポンプを試作し、設計要求を満足する耐圧強度及び輸送性能を確認して、考案した構造の妥当性を確認した。
下条 晃司郎
化学工学, 75(4), p.244 - 245, 2011/04
化学工学会の研究奨励賞の受賞対象となった研究の経緯と将来の抱負について紹介した。ただし、研究内容の詳細ではなく、研究の経緯,ブレークスルー,将来展望といった苦労や夢を語る読みものとして解説した。
社本 真一
材料の科学と工学, 48(2), p.69 - 73, 2011/04
鉄系超伝導材料について、これまで中性子散乱により行われてきた研究を、施設の紹介と合わせて解説した。
岩月 仁; 田中 伸幸; 渡邉 豊*; 寺田 敦彦; 小貫 薫
化学工学論文集, 36(4), p.413 - 419, 2010/07
被引用回数:3 パーセンタイル:16.43(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスでは、腐食性の強い硫酸やヨウ化水素酸を高温高圧の環境で取り扱うため、装置材料の選定が重要な課題である。グラスライニング材は、構造強度を有する鋼と耐食性に優れるガラスを組合せた有望な候補材料であるが、その適用限界は使用環境条件により左右される。そこでISプロセスの高温硫酸液相環境に対するグラスライニング材の適用性確認検証を目的として、耐食性を確認するための被覆ガラスを用いた腐食試験と、耐熱性を確認するためのグラスライニング配管を用いた加熱試験を実施した。その結果、グラスライニング材は、十分な尤度をもった耐食性と耐熱性を有する基本的適性があることがわかった。
玉田 正男
化学工学, 74(3), p.112 - 114, 2010/03
温泉水や海水には、数十から数ppbの極めて低い濃度で有用な金属が溶け込んでいる。グラフト重合は、特定の金属に対して親和性のある官能基を基材に導入することのできる優れた手法である。この手法により合成した捕集材を用いて、極めて低い濃度の金属資源の回収技術の現状を記載した。群馬県の草津温泉にある万代源泉にはスカンジウムが40ppb溶けている。スカンジウムは、燃料電池の電解質に有用な元素として注目されている。グラフト重合で合成したリン酸型捕集材片(25cm)を温泉水に浸漬した結果、23時間の浸漬でそれぞれ捕集材1kgあたり1.5gのスカンジウムを吸着できることがわかった。海水1トンには、3.3mgのウランが溶けている。放射線グラフト重合法により、ウラン捕集性能に優れたアミドキシム型捕集材を合成した。布状のウラン捕集材を積層した捕集材カセットを浮体から垂下して、3年間で計9回の海水ウランの捕集実験を行い、1kgのウラン(イエローケーキ換算)を捕集することに成功した。ウラン捕集のコスト低減化のため、モール状捕集材を考案し、沖縄海域で行ったウラン捕集試験に基づいた現状で到達可能性の高い回収コストは25千円となることがわかった。
今井 良行; 中島 隼人; 久保 真治; 小貫 薫
化学工学論文集, 36(1), p.70 - 73, 2010/01
被引用回数:5 パーセンタイル:23.09(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスの要素反応であるブンゼン反応について、ヨウ素飽和条件において二酸化硫黄分圧及び反応温度が生成するポリヨウ化水素酸相の組成に与える影響を調べた。理想的脱硫を仮定したポリヨウ化水素酸相のヨウ化水素酸濃度(HI/(HI/HO))は、二酸化硫黄分圧及び反応温度に応じて単調増加の傾向を示した。試験結果をもとに二酸化硫黄分圧及び反応温度の関数としてヨウ化水素酸濃度の実験式を得た。